モデル化とシミュレーション
学習目標
- モデル化とシミュレーションの意味を説明できる。
- 確定的モデルと確率的モデルを、結果が1つに決まるかで区別できる。
- 乱数(RAND、INT)を使って、サイコロの目を作れる。
| 学習の作業 | 時間の目安 |
|---|---|
| 読む(モデル化、シミュレーション、モデルの種類) | 20分 |
| 例を追う(容器の水量) | 15分 |
| 読む(確率的モデル、乱数、モンテカルロ法) | 15分 |
| 操作実験(乱数で円周率を推定) | 10分 |
| 操作(積み上げを重心でモデル化) | 10分 |
| 自力演習(段階別の練習) | 10分 |
| 振り返り | 5分 |
1. モデル化とシミュレーション
現実の問題の本質だけを残して単純化することをモデル化といいます。モデルを使って、同じ条件で模擬的に動かすことをシミュレーションといいます。安全性、費用、効率などの理由で実物を試せない場合にも役立ちます。
2. モデルの種類
| 分類 | 種類 | 例 |
|---|---|---|
| 対象 | 物理モデル(実物を模したもの)/論理モデル(数式や図で表したもの) | 縮尺模型/数式モデル(オームの法則)、図的モデル(フローチャート) |
| 時間 | 静的モデル(時間の経過が影響しない)/動的モデル(時間の経過が影響する) | 円の半径と面積/落下する物体 |
| 結果 | 確定的モデル(結果が1つに決まる)/確率的モデル(結果が1つにならない) | 等速で走る車の時間と距離/サイコロ2個の目の合計 |
3. 確定的モデル: 容器にたまる水の量
流入速度(6.0 L/分)と時間間隔(1分)は定数です。「流入した水量 = 流入速度 × 時間間隔」、「水量 = 前の水量 + 流入した水量」という式で、1分ごとの水量を表計算で求められます。結果は 6, 12, 18, 24 L と1つに決まります。
4. 確率的モデル: 乱数とモンテカルロ法
確率的モデルでは、乱数(値が一定の範囲で不規則かつ等確率に現れる数)を使うことがあります。表計算の RAND 関数は、0 以上 1 未満の乱数を出します。例えば、1から6の整数(サイコロの目)は、=INT(RAND()*6)+1 で作れます(INT は小数点以下を切り捨てる関数)。乱数を使って問題を解く方法をモンテカルロ法といいます。
例: サイコロ1個の目の期待値は (1+2+3+4+5+6) ÷ 6 = 3.5。10個同時に振った合計の期待値は 3.5 × 10 = 35(この教材の説明)。
5. 操作実験: 乱数で円周率を推定する
1辺1の正方形の中に、半径1の1/4円を考えます。正方形の中に一様に点を打つと、円の中に入る割合は「1/4円の面積 ÷ 正方形の面積」です。1/4円の面積は π/4、正方形の面積は1なので、点の割合を4倍すると π の近似値になります。
6. 確定的モデル: ブロック積み上げの安定
同じ幅のブロックを積むとき、上にあるブロック全体の重心が、下のブロックの右端より外に出ると倒れます。倒れる直前までずらすと、上から k 個のブロックの重心が支えるブロックの端に一致します。この条件を段ごとに使うと、上のブロックほど大きくずらせます。
段階別の練習
易(基本の確認)
- 実物を模したモデルを何と呼ぶか。
答えと解き方
物理モデル。 - 等速で走る車の時間と距離は、確定的か確率的か。
答えと解き方
確定的モデル(結果が1つに決まる)。
標準(手順を組み合わせる)
- 流入速度 2 L/分、時間間隔 1 分のとき、3分後の水量は。
答えと解き方
2 × 3 = 6 L(1分ごとに 2 L ずつ増える)。 - =INT(RAND()*6)+1 の結果の範囲は。
答えと解き方
1 から 6 の整数。
共通テスト形式(読み取りと判断)
- サイコロ2個の目の合計は、確定的と確率的のどちらのモデルか。理由も答えなさい。
答えと解き方
確率的(目の出方が毎回変わり、結果が1つに決まらないため)。 - 乱数を使って面積を求める方法の利点を1つ答えなさい。
答えと解き方
式で積分などを求めなくても、多くの試行で近似できる(一例)。
振り返り
- 確定的モデルと確率的モデルを、結果の決まり方で言い分けられましたか。
- モデル化で「残す要素」と「捨てる要素」をどう選ぶか、説明できましたか。