確率的モデルのシミュレーション
任意教材です。モデル化・シミュレーションの学習例として、共通テスト情報Iの範囲内で発展的に取り組めます。
学習目標
- 待ち時間のモデルを、到着時刻・開始時刻・終了時刻に分けて表せる。
- 乱数による結果のばらつきと、平均的な傾向を説明できる。
- 感染拡大モデルの仮定と、現実に当てはめる限界を説明できる。
| 学習の作業 | 時間の目安 |
|---|---|
| 読む(確率的モデルの仮定) | 10分 |
| 操作(待ち行列をシミュレーション) | 15分 |
| 操作(感染拡大をシミュレーション) | 20分 |
| 自力演習(結果の読み取り) | 10分 |
| 振り返り | 5分 |
確率的モデルでは、同じ条件でも乱数によって結果が変わります。ここでは仮定を明示し、条件を変えたり試行を繰り返したりして、結果の違いを観察します。
1. 待ち行列: 自動販売機の待ち時間
利用者は平均3分に1人来て、購入には常に2分かかるとします。到着間隔を毎回3分と固定すれば待ち時間はできません。一方、到着間隔を0〜6分の一様乱数にすると、平均は同じ3分でも、短い間隔が続いたときに列ができます。
単純化した設定です。利用時間は全員2分、到着は一列・窓口1台とし、利用者は途中で列を離れないものとします。
2. 感染拡大: 40人のクラス
40人のうち1人が0日目に感染し、感染した生徒は翌日までにクラスの40人から1人を無作為に選んで感染させる、感染者は10日間回復しない、というモデルを考えます。相手がすでに感染しているかどうかは問いません。同じ人が重ねて選ばれた場合は感染者数が増えず、新たに感染した人が感染させるのは次の日からです。
段階別の練習
易(基本の確認)
- 到着間隔が毎回3分で、利用時間が2分なら、次の人が着いたとき前の人の利用は終わっているか。
答えと解き方
終わっている。前の利用者は到着から2分後に終わり、次の人は3分後に到着するため、1分の余裕がある。
標準(手順を組み合わせる)
- 前の人の利用終了が8.4分、次の人の到着が7.1分だった。次の人の待ち時間は何分か。
答えと解き方
8.4−7.1=1.3分。利用開始時刻は前の人の終了時刻と到着時刻の遅い方なので、8.4分に始まる。
共通テスト形式(読み取りと判断)
- 感染者が40人に達した結果が1回出た。これだけで「10日目には必ず全員感染する」と言えるか。
答えと解き方
言えない。乱数による1回の結果であり、感染力や接触などを単純化したモデルでもある。複数回の結果とモデルの仮定を確認する。 - 感染者数の平均を20回より100回の試行で求める利点を答えなさい。
答えと解き方
1回ごとの偶然のばらつきが平均でならされ、モデルの平均的な傾向を見やすくなる。ただし現実の予測精度が保証されるわけではない。
振り返り
- 乱数を使うと結果が毎回変わることを説明できましたか。
- モデルが現実から省いた条件を挙げ、結果を予測と混同しない理由を説明できましたか。